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8月の古東だより

2022.08.03 古東だより

先月の古東だよりで「いのち」について取り上げました。「いのち」が奪われるような事件は悲しいことに毎日のように起きていますが、安倍元首相が銃撃された事件は衝撃的でした。平和で安全と言われているこの日本で、いとも簡単に政府の要人が殺されてしまうという現実。なんとも言えない重苦しい気持ちで数日間過ごしました。さらに最近、秋葉原無差別殺傷事件の犯人の死刑が執行されたというニュースが入ってきました。

 私はこれらの事件を起こした犯人が、どのような生き方をしてきたのか気になりました。なぜ世間を騒がせるような事件を起こすに至ったのか。人を傷つけることで自分も傷つくのに。当然家族も傷つきます。なぜなのでしょうか。報道によると彼らはともに壮絶な人生を歩んできているようでした。しかし、壮絶な人生を歩んできた人は皆事件を起こすかというと、必ずしもそうではありません。何が違うのでしょうか。彼らは頼れる人が一人もいなかったのだろうか。心から気を許せる友がいなかったのだろうか。大切に思える人がいなかったのだろうか。守るべきものがなかったのか。無条件に受け止めてくれる家族はいなかったのか。

 愛着という言葉があります。愛着とは「くっつく」ことです。しかし、いつもベタベタとくっついていることではありません。「くっつきたい」と思ったときにはいつでも「くっつける」という安心感そのものを愛着というのです。抱っこしてほしいと思ったときに、絶対に抱っこしてもらえるという確信です。「大人になってからでも抱っこが必要なときがある」。私の尊敬する園長先生の言葉をふと思い出しました。