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11月の古東だより

2023.11.02 古東だより

〜保育にとってもっとも大切なこと〜

 同じ保育理念の園長先生が、当園においでになった時に聞いたお話を紹介しましょう。

 2歳児クラスが散歩に出かけるときのこと。都心では珍しくないのですが園庭がありません。よって、散歩は園児にとって貴重な体験です。園舎は3階建のビルです。2歳児クラスは2階にあるのですが、なぜか園児たちが3階へ登ってしまうのです。保育者たちはそれを認め、3階への冒険にあえて付き合っていたそうです。保育者にとっては想定外の展開であったとしても、子どもの「道草」をいかに認めることができるのか、ということです。

 もう一つのエピソードです。3歳児が公園から帰ってきました。昼食になる時間帯です。しかし園児は園舎に入ろうしません。保育者が声をかけても動こうとしないのです。園長先生は「何かあるのだろう」と思い尋ねます。すると、「ミミズを落としてきちゃったの」。「じゃあ、一緒に探しに行こうか?」。園児の表情はガラッと変わり、落としたミミズを探しにいったのです。大人が「共感」してくれたことが園児を救ったのでしょう。

 「子どものちょっとしたわがまま」に付き合えるかどうか? 私は保育のもっとも大切な資質はここにあると思います。自分の気持ちを受け入れてもらえた体験が、自己肯定感につながります。このような体験が積み重なると、今度は「みんなのために我慢しよう」という他者を配慮する気持ちが芽生えます。この順番が大切なのだと思います。